演目みどころ⑤|スル掬い
「琉球芸能文学研究会」とゆう真面目でほんわかなサークル名とは裏腹に、挨拶・礼儀はもちろん、稽古の内容はゴリゴリの体育会系。声出しにうるさい地謡コーチと、大腿四頭筋(もも筋)にうるさい舞踊コーチのもと、踊り手は時間さえあれば声帯を鍛え、体幹を鍛え、基礎となる歩行を繰り返します。
中でも、琉芸文の演目で1位2位を争う体力勝負の「スル掬い」。スル掬いは、スルル(キビナゴ)を浅瀬に追いやり、網で掬う所作が特徴的。八重山舞踊家の宇根由基子先生が竹富島種子取祭で演じられるスル掬い狂言をヒントに振付た踊りで、2003年の八重山合宿で宇根先生から直接教えていただきました。
そんなスル掬いの特徴を活かすには、腰を落としたり伸びたりと、とにかく下半身を駆使しなければなりません。踊り手の2人は、慣れない足づかいと息切れに悪戦苦闘。スル歩行からくる筋肉痛(別名:スル痛)とマスク地獄に耐えながら、何度も稽古を重ね、身体に覚えさせていきました。
イキの合った踊りの裏に隠されたスル痛にも共感しながら、ご覧ください。
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