演目みどころ③|箏曲独唱「赤田花風節」

梅だいんす雪に 詰められて後ど
花も匂まさる 浮世だいもの

祝儀舞踊「松竹梅鶴亀」の梅の歌として言わずと知れた「赤田花風節」は、「雪の下に閉じ込められた後にこそ、梅の花の匂いもなお一層勝るものである。浮世(世の中・人生)とはそのようなものなのである。」という琉歌です。
西郷隆盛が詠んだと言われる漢詩の一部にも「耐雪梅花麗」という同じ様な意味が詠われており、元メジャーリーガーで元広島東洋カープの黒田博樹投手が座右の銘にしていたことでも有名です。
冷たい雪の下で耐え忍び、苦しい時期を経てこそ、麗しの梅の香りのように、人の人生も尊いものになるのである。
4月からの稽古が中止となり、例年12月に行われていた「双葉踊り」を一旦断念せざるを得なくなった去年。やっと再開された稽古も、例年とは全く違う不自由な稽古でした。それでも、決して諦めずに耐え忍び、「双葉踊り」の実現を夢見て、地道に稽古を続けてきた気持ちを、この琉歌と、この歌に込めました。
唄い手は、最終年次としての「双葉踊り」を絶対に諦めず、舞台主任として引っ張ってきた副会長。同期や後輩、琉芸文全員の気持ちを胸に唄います。
耐え忍んできた「梅」が、ついに花開く瞬間の「ひととき」にどんな「香り」がするのでしょうか。
ぜひお聴きください。

琉球芸能文学研究会'24

沖縄国際大学の琉球芸能サークル 芽が出たばかりの双葉(学生)が織りなす 学生芸能の世界 琉球古典舞踊・八重山舞踊・創作舞踊 さまざまな芸能が一堂に会する 琉芸文ワールドをお楽しみください

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